近年、YouTubeは多くの人気ユーチューバーを輩出しています。こうした時代の流れに応じて企業のPR戦略にも重要な集客チャネルとなりつつあるのがYouTube。

YouTubeというと、タレント性のある個人がやるものと思われがちですが、それだけではありません。ニッチなものも含めると様々な動画がアップされており、集客やブランディングとして活用している企業も増えているのです。

情報発信のベースもテキストだけでなく、音声や動画をミックスさせることで、より広範なターゲットに対してリーチできます。また、動画を使うことでより深い理解を提供できます。本稿では企業がYouTubeを活用することのメリットとどうマーケティングに役立てていくべきかについての考察を書いてみたいと思います。

企業がYouTubeを活用するメリット

広告収益を目的としない企業がYouTubeを活用するメリットは様々です。一つずつ見ていきましょう。

動画視聴中心のユーザーにリーチできる

業界やジャンルによりますが、音楽やゲームといったエンタメ性の高い分野だけでなく、今では美容、食料品、スポーツなど幅広い分野で動画コンテンツが伸びている傾向があります。そうした分野では動画を積極的に活用したマーケティングを行う方がファンや新規顧客の獲得に繋がりやすい場合もあります。少なくとも、あまり文章を読まないユーザー、長文を好まないユーザーに対しても動画は有効です。

分かりやすい表現が可能

文章では伝わりにくいことでも声だと伝わりやすいことは往々にしてあります。音声や動画では微妙なニュアンスも伝えられるからです。効果音やBGMの活用で、そのときのテンションなども表現できますし、それはコンテンツの理解度向上に繋がります。

ユーザーとの距離が近くなる

ユーザーは企業に対して機械やロボットのようなドライな印象を抱きがちですが、動画で人の顔や声を出すことで、「そこに人がいる」ことを示すことができます。属人性を出すことは人との距離感を近づけることに繋がります。

拡散する可能性がある

動画がおもしろかったり、資料として優秀だったりする場合、SNSなどで拡散される可能性があります。それは企業の認知度を広めることになりますし、丁寧な仕事をしている企業といったプラスのイメージがつく可能性もあります。もちろん、プラスがあればマイナスブランディングになる可能性もありますので、そこは注意が必要ですが。

動画検索に対応できる

Googleの検索エンジン内、あるいはYouTube検索で動画を探しているユーザーに対して、認知を広げることができます。YouTubeにチャンネルを持っていなければ、できないことですよね。

再生数が収益源ともなる

企業がYouTubeをやる目的は再生数による収益より本業の売上を伸ばすことだと思います。もちろんそれはそれでいいのですが、地道に役立つ動画を配信していけば広告収入も同時に得ることができます。これまでは動画の制作費は企業の持ち出しでしたが、広告収入が得られることでペイできるくらいになれば、ありがたいですよね。

チャンネル登録者にいつでもアプローチできる

これが大きいのですが、チャンネル登録者は企業の資産になるということです。チャンネル登録者の多くはあなたの会社や商品のファン、興味があるユーザーで構成されているはずなので、そうした人に何度でもアプローチできるチャネルを持つということは、マーケティング上非常に有効なことです。

筆者は仮にチャンネル登録者10万人いれば、動画の直接収益だけでなく集客や販売力も加味すると数百名規模の会社が一つ出来あがったことと同じくらいのインパクトがあると考えています。

企業に想定されるYouTubeの活用シーン

PR動画、CMのアップロード

まず1つ目に挙げられるのが商品・サービスPR動画やCMのアップロードでしょう。YouTube内のGoogle広告を活用すれば、特定の動画だけ広告に出すことができます。詳細なターゲットや予算を設定するだけで広告配信が開始される為、小回りの効く広告として活用可能です。テレビCMからの移行が著しいだけのことはあるでしょう。

▼WordPress Theme FAKE
https://www.youtube.com/watch?v=NJP5C1isChI&list=PLHTHmMVfow1gnKDcBbJTsTVdM4IknjpPu

商品の使い方解説

これまでは紙やウェブ上のマニュアルで商品の解説していたことをYouTube上でやることで、分かりやすさと手軽さをユーザーに提供できるようになります。マニュアル動画を一般公開にすることで、商品に興味のあるユーザーに対してもリーチできますし、限定公開とすれば購入者だけに配信が可能です。

▼コーポレートサイト向けWordPressテーマ「FAKE」の機能についてお話します。
https://www.youtube.com/watch?v=RBgeD8X3Ygg

ユーザーインタビュー

商品の利用者やファンへのインタビュー動画を配信することも一つの手です。単に商品を褒めそやすだけの動画では宣伝色が強くなって面白みに欠けますが、それを使ってどういう効果やメリットがあったかなども加えると、コンテンツとして成立するかもしれません。

知識・技術・ハウツーの情報公開

企業が保有する知識、技術、ハウツーをYouTubeで開放することです。それは一般の人々にとっては有用な情報になりますし、ファンをつくる要因にもなります。例えば、英会話教室を運営している企業であれば、英会話のハウツーや練習動画を無料でアップしていくなどです。情報は一般に公開されるものなので、社内の技術者やクリエイターと連携して積極的に出していくと良いでしょう。

▼英会話イーオン 【英語学習トリビア 01】 洋画や海外ドラマは英語学習の役にたつの?
https://www.youtube.com/watch?v=ZaplkBpmWR8

ストーリー性のあるショートムービーの公開

企業によってはショートムービーを使ってブランディングしているところもあります。内容にストーリー性やドラマ性を持たせることで、直接的な宣伝を避ける効果もあります。ストーリーがおもしろければ、意外なところから拡散していく可能性がありますね。

▼『つぶやく女』/BE NATURE! 欲望に素直な女たち
https://www.youtube.com/watch?v=vxNEiS3fbvI

商品の開発秘話、現場のリポート

商品の開発秘話や現場リポートを動画にしてもおもしろいかもしれません。開発の現場が目を引くような変わった場所なら、それを映像化してもおもしろそうです。ドラマ性・エンタメ性があれば、なおよしですね。

社内タレントの育成

YouTube動画の制作にあたって、「人を出す」ことは重要な戦略になります。ここでは便宜上、「社内タレント」と呼びますが、社内タレントはキャッチーな人物が良いでしょう。社内外に名前のある人物ならなおよしですが、一般的には創業者などの幹部がやるのが自然かもしれません。

タレント・ユーチューバーとのコラボ

出演料を払い、タレントやユーチューバーとコラボする動画も考えられます。枠や動画の性質の自由度が高いYouTubeで、タレントの考え方や良さを引き出しつつ、商品ともどこかで繋がっている動画が望ましいでしょう。あくまでも宣伝ではなく、コンテンツとして作成するということです。タレントをハブとした新たなPR戦略が可能となるでしょう。

▼#1 親からお小遣い1000円をもらう 【人生100年 イチロー人生すごろく】
https://www.youtube.com/watch?v=j_BkYnDpU-s

今すぐ企業アカウントを作成しよう

YouTubeの良いところは、資本力や認知度がない企業でもアイデア一つで舞台に立てることです。個性が際立つほど良いということです。

また、すでに広告代理店やテレビなどの大媒体に頼らずとも大規模な広告戦略が可能となった今、企業がYouTubeをやらない理由はほとんどなくなったと言えるかもしれません。この機に企業アカウントを開設し、新たな集客チャネルを手に入れましょう。