サイト内の重要ページに訪問者を導くための「誘導力」は、Webサイトの売上を上げるのに重要な要素です。また、訪問者が求めるページへ誘導してあげることもユーザビリティが高いサイトにする上で大切なことです。

サイトのゴールとなるページ(購入完了、登録完了ページ)でない限り、閲覧中のユーザーに離脱して欲しくないと考えるのが普通でしょう。コンテンツを読み終えたユーザーにはまた新たな興味のある記事へ移動してもらいたいと思うわけです。そのためには正しく導線を確保してユーザーに伝えられているかという点を把握していく必要があります。それが誘導力の評価ということです。

本稿では、コンテンツ・ページを閲覧した後に、他のコンテンツやページにどれくらい回遊(移動したか)をあらわすための指標である「誘導力」について解説します。

その前に「コンテンツマーケティング」シリーズの1話を読みたいかたは先にこちらをご覧ください。

誘導力の分析

今回もGoogleアナリティクスを用いて評価をしていきますが、誘導力は「直帰率」(そのページだけをみて離脱した割合)と「離脱率」(このページを最後に離脱した割合/閲覧して回ったページ数)で評価をすることができます。Googleアナリティクスの「行動」 > 「サイトコンテンツ」 > 「すべてのページ」で表示されるレポートにて確認をすることが可能です。

似た値にサイト全体の回遊率というものがありますが、今回誘導力としているのはページ単体の誘導能力値です。サイト全体の回遊率(「ユーザー」>「概要」で確認できるページ/セッション)とは分けて判断してください。

誘導力の分析は他の数値分析と少し異なり、ページ毎に仮説をもって臨むことが大切です。

  • 閲覧力(通読性:最後まで読まれる)が高いページが誘導力が高いのか?
  • 記事下の関連記事だけでなく、記事中に他ページへのリンク導線があるほうが誘導力が高いのか?
  • 読み物系の記事よりも文中にリンクを設置している単語解説系の記事リンクがある方が誘導力が高いのか?
  • 読んでほしい時系列に沿ったリンク導線を用意している記事において誘導力が高まっているのか?
  • 限定性の高いキャンペーンバナーを表示している期間だけ誘導力が高まっているのか?

など、次のページへ続く動線をどのように用意していると数値に偏りがでるのかをまず把握する必要があります。閲覧力(閲覧力を測定する記事へのリンク)と誘導力はサイトに訪れてくれるユーザー特性も色濃くでてきますので自分のメディアにおける特徴としてしっかりと把握を進めておくと、新規コンテンツを作る時の参考になると思います。リライトの参考とする場合は、サイト全体の回遊率とページ単体を比較して弱いページは強化するという感じで対応をするとよいでしょう。

誘導力(次コンテンツへの誘導数)を高める為にできること

誘導力の測定にはABテストも有効です。どのような記事構成の時に誘導率が低いかを意識的に抽出して、誘導力をUPさせることができる勘所を掴みましょう。以下に誘導力に影響を及ぼしそうなポイントを列挙していきます。

次にみてもらいたいコンテンツへの導線が分かりやすいか

記事カードリンク
記事の最後あたりに意図的に読んでもらいたいコンテンツの導線が配置されているでしょうか。この記事を読んだ後はこの記事を読みたくなるだろうと予測されるものがある場合は記事カードリンクなどを使って、認識してもらえるように配置をすることを心掛けましょう。

冒頭文を読み飛ばしたい人向けの導線(目次リンクなど)があるか

目次
知りたいところへすぐ移動できる導線の有無がこのサイトは便利だという印象を与え、誘導力に影響を及ぼすことがあります。長文や項目数の多い記事は目次を付けてあげると良いでしょう。こちらのWordPressプラグインで目次をつけられます。

関連記事の表示はあるか

関連記事
コンテンツ下に用意されることが多い関連記事リンクですが、活用されているでしょうか。しっかりと関連した記事が表示されているか?単に「関連記事」という見出しを添えているだけではなく、「この記事も一緒に読まれています」など読者に寄り添った表現に変えることも有効かもしれません。

記事のタイトルが閲覧したくなる魅力的なものか

TOKI
記事タイトルは自分のサイト内で使われるだけでなく、SNSやGoogleの検索結果、他サイトでも使われるものです。このように記事タイトルは露出度が高いものなので、重要な要素です。記事タイトルには、コンテンツ内の重要なキーワードを必ず含める、ページの内容がわかるものにする、クリックしたくなるようなものにするという要素を入れたリライトを検討しましょう。

グローバルナビや追尾型リンクで回遊利便性を維持できているか

KADAN
ユーザーを重要なページへいつでも誘導する為の導線は用意されているでしょうか。例えば店舗サイトなら、お問い合わせやメニューなど、他の重要ページに移動しやすいようにグローバルナビゲーションを上部に固定表示させておくと良いです。

必要に応じて記事内リンクを設定しているか

記事リンク
もっと深く知りたいというユーザーニーズに紐づいたリンク露出は効果的です。

サイトをはじめて訪れた人にサイトの内容を伝えているか

TCD MUSEUM
はじめて訪れたユーザーにはこのサイトがどのようなコンテンツかがひと目で分かるようにする必要があります。上のキャプチャは「TCD MUSEUM」というサイトですが、「TCDユーザーが作ったサイトを掲載する」という珍しいコンセプトの為、ヘッダー上にサイトの説明文を入れるようにしています。ロゴの横やヘッダー画像上など、ファーストビューの分かりやすい位置にサイトの全容を掴める説明文を入れましょう。

バナー、画像はクリックできることが伝えられているか(ホバー効果など)

NOEL
リンクであること、その先にどのような内容が書かれているかを伝えることができると誘導力が高まる傾向にあります。サイト内でUIを統一するなどサイト設計から見直すことも大切です。

同じ意味合いのボタンは同じ色にするなどUIが整理されているか

GALLERY
お問い合わせや購入ボタンなど、コンバージョンに繋がるリンクはユーザーを迷わせないように同じ色にするなどして統一しましょう。

完成度の高いWebサイトにするために誘導力を強化しよう

誘導力を高めることは、導線をつくることであり、サイトの目的を達成することでもあります。記事をつくる際には、サイト内のページのどこに誘導するかを考えながら執筆すると良いでしょう。ページ同士のつながりができることで、ページのパワーが強化されるからです。その方法に関しては下記の記事をご覧ください。

また、ページ間のリンクの見せ方を工夫するだけでも改善されますので、Webサイトのデザインを調整する際、常に意識をするようにしましょう。特にWordPressの場合はテーマを着せ替えることで一気にサイト全体の回遊率が変わることがあります。TCDの場合は、全テーマで売上を上げる為に訪問者の回遊性や導線に意識が向けられて制作されていますので、よろしければご活用ください。