メディアやブログは新しくページを投稿するばかりが集客に有効とは限りません。新しいページをつくることも有効ですが、既存のページを見直すことはコンテンツマーケティングではかなり重要な施策です。

本稿では既存のコンテンツの集客力を再評価することで、読まれるページ、役立つコンテンツにリライトする方法についてご紹介したいと思います。まず、この記事を読み進めるにあたって以下の記事も参考にしてください。

ページごとの流入・訪問回数から
集客できているコンテンツの傾向を割り出す

集客力を評価する時はまず2つの数値を元に考えてみるとよいでしょう。

流入回数:該当記事がランディングページ(サイト訪問の最初のページ)として見られた閲覧数
訪問回数:ランディングページになった回数+サイトのどこかを経由して該当記事に辿り着いた回数も含めた閲覧数

Googleアナリティクスでそれぞれをチェックする場合、流入回数は「ランディングページ」のレポートにある「セッション」の数値で確認することができます。訪問回数については「すべてのページ」内にある「ページ別訪問数」でチェックすることができます。

GoogleAnalyticsランディングページページごとの流入回数が見れる

GoogleAnalyticsすべてのページページごとの訪問回数が見れる

集客力の分析について

アナリティクスで抽出することができた流入回数、訪問回数について、それぞれ上位10ページほどを精査することでWebサイトへ集客をすることができているコンテンツの傾向を読み取ることができます。上位記事を絞り込むことができたら以下の視点でその特徴を読み解いていきます。

集客力を発揮できているコンテンツの傾向を把握する

自然流入を獲得できているページの特徴を整理して把握することで、次にどのような要素を抑えた上でコンテンツを作ればいいかの指標を掴むことができます。何かしらの特徴を掴むことができたなら、それらを活かして集客を狙った記事を意図的に作ることができるのかを試してみましょう。

狙った通りの記事が集客力を発揮することができたのなら読みが的中。今の検索ニーズにあったコンテンツを作ることができたということになります。自サイトのコンテンツに集客力を発揮できているコンテンツがあまりない場合、現状の企画構成がよくない可能性もあります。これまでにない切り口でコンテンツを作るように意識してみるとよいかもしれません。

マイクロモーメントから掘り下げる

最近の検索エンジンは検索ユーザーの目的を最短で解決しようとバージョンアップを繰り返しています。どのような目的意識をもって検索したユーザーが用意した該当コンテンツに辿り着いているのかを把握することができると、検索エンジンが該当コンテンツをどのように判断(どのマイクロモーメントに対して有効なページか)しているのかを予想することができます。

また、流入から成果に繋がった数字を見ることで、ユーザーの目的意識とコンテンツの相性についてもわかってきます。特定の目的意識を持ったユーザーが流入した場合において、効果的に成果につながるという傾向を読み取ることができたなら、ユーザーの属性を選択することができる広告に対しても流用して効果を期待できるようになります。

マイクロモーメントは流入している検索キーワードを実際にGoogle検索にかけて検索結果をみることで把握することができるので、集客に成功しているキーワードの検索結果を実際に見てみるとおもしろいでしょう。

「マイクロモーメント」とは、人が何かをしたい、知りたいという欲求が発生した時に、スマホでインターネットとの接点を持つ行動や瞬間のことを指し、インターネット検索などを通じて人がどういうアクションに出るかに注目することで、よりモバイルユーザーに対して価値のある情報を届けることができます。

▼参考:生活のさまざまなシーンで発生するマイクロモーメント
https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/search/what-is-micro-moments/

「Go」「Do」「Buy」「Know」、4つのクエリにコンテンツを分解する

• 〇〇に⾏きたい (Go)
• 〇〇をやりたい (Do)
• 〇〇を買いたい (Buy)
• 〇〇を知りたい (Know)

たとえばサッカーをメインテーマのコンテンツを作っている場合、

■Goクエリ(〇〇に⾏きたい)
どこかに⾏きたい・⾏くことを検討している瞬間に検索されます。

Goクエリ検索例)「サッカー 競技場」

■Doクエリ(〇〇をやりたい)
調べたいこと、気になった瞬間に検索しています。

Doクエリ検索例)「サッカー ドリブルの練習方法」

■Buyクエリ(〇〇を買いたい)
何かを買いたい・実際に購入を検討している瞬間に検索しています。

Buyクエリ検索例)「サッカー 人気スパイク」

■Knowクエリ(〇〇を知りたい)
もっとも汎用性の高い検索結果、目的がはっきりとしていない時も調べられる。

Knowクエリ検索例)「サッカーとは」

キーワードの検索結果から、地図情報が検索結果よりも上段に表示されていたらGoクエリの検索だとGoogleが判断していると予想ができます。Buyクエリだとショッピング情報がでてきたり、サイドバーにショッピングの広告が並んだりします。Doクエリだと、視覚的に伝えやすい動画コンテンツが表示されるという感じに最近の検索結果は変化しています。現時点の検索エンジンの傾向からはGoクエリ、Buyクエリ、Doクエリ以外をKnowクエリの形式で検索結果を返す傾向にあるようです。

上位表示を目指すキーワードで競合が強いと感じるキーワードにぶつかることがあります。その時にマイクロモーメントという考えを把握していたら、目的をずらすことで複合キーワードにおいて、上非表示を狙う方向にシフトすることができるでしょう。目的を関連付けた複合キーワードでの上位表示が叶うと、サイトのドメインパワーも増して、他のキーワードによい影響を及ぼすことが期待できます。

タイトルから掘り下げる

どのようなタイトルが集客に成功している傾向にあるのかを把握しましょう。自サイト内でのタイトル傾向と、実際の検索結果からその差を把握するようにしましょう。自サイトの集客力ランキング上位ページがGoogle検索結果で負けている場合、競合サイトを参考にタイトルリライトを検討してみてもよいかもしれません。自サイトで相対的に集客力を発揮していると判断できるページが、検索結果においてはどの位置に表示されるかというのは、サイト運営においてSEO対策がどれくらいうまくいっているかを教えてくれます。

文章量、画像量を確認する

集客力を発揮することができているページはどのくらいの文章量、画像量になっているのかを把握してその基準以下のページはリライトを検討してみてもよいでしょう。新しくコンテンツを作る時の参考にする場合、検索エンジンで、該当するキーワードで検索した結果から、傾向を読み取るようにしましょう。検索結果の上位10位にテキスト量が少ないサイトが多い場合は、テキストボリュームを上げた記事を書いてみる。写真を用いたサイトが少ない場合は写真をたくさん使ったコンテンツを同キーワードを対象に作ってみるなど、明確な差別化でSEOにどのような影響があるかを見ることも大切です。

流入元の精査

他の自社運営メディアや知り合いからの被リンク、アフィリエイトリンクを除外することでより自然流入に焦点を当てたデータ分析が可能になります。

メディア最初の試練。集客力を構築することができるか?

どれだけ素晴らしいコンテンツを用意していたとしても、アクセス数を増加させることができない場合、そのWebメディアのポテンシャルを発揮することができません。集客に関する要素は絶対に無視をすることができない、とても大事な要素です。

当記事ではオウンドメディアにおける集客力の評価、対応について説明をしていますが、「オウンドメディア」以外にも有料広告などの「ペイドメディア」、SNSなどの「アーンドメディア」が存在します。オウンドメディアだけではなかなか集客を増やすことが上手く行かない場合は、ぺイドメディア、アーンドメディアからの集客も並行して考えるとよいでしょう。

集客力を短期間で確実に上げる魔法は存在しません。アクセスの増加を急ぐ場合は予算を編成して有料広告からの流入を求めた方が現実的です。日々の運用から地道な努力を続けることで少しずつ集客力が向上していきます。それを1年、2年、3年と続けていくことでいつの間にか集客に困らないオウンドメディアへと成長する可能性はあります。

長期的な計画をもって我慢強く運用を試行する中で、自力の集客力を育むという考えを忘れず、メディア運用をしていきましょう。Webサイト運用の参考にしていただけたら嬉しく思います。