2020/7/8 内容を更新いたしました。

WordPressでは、複数のユーザでサイトを運営するときにはユーザーひとりひとりにアカウントを発行できます。複数人でサイトを運営するときには、ユーザーごとにアカウントを作り、適切な権限を設定するようにしましょう。

ユーザーごとに権限を変え、トラブルを減らす

WordPressでは、運営を行うユーザー事にアカウントを発行できます。そこで、担当者が数名いるコーポレートサイトやメディアサイトでは、1アカウントを共有するのではなく、ユーザー事にアカウントを作り、適切な権限を設定しましょう。全ての担当者が、全ての設定を変更できる状態にしておくのは、セキュリティの面からも好ましいことではありません。

権限グループには「管理者」「編集者」「投稿者」「寄稿者」「購読者」の5段階の設定ができます。
WordPressをインストールしたときに最初に設定するユーザーは管理者となります。ほかのユーザーは、どこまでの作業を任せるかによって権限を設定し、必要以上の権限は持たせないようにしましょう。

  • 管理者:WordPress全ての機能にアクセス可能
  • 編集者:記事の管理は全て可能(「外観」「プラグイン」「設定」などの管理機能は設定不可)
  • 投稿者:自分の投稿のみ管理可能(固定ページの作成は不可)
  • 寄稿者:自分の投稿も公開不可(公開は編集者か管理者が行う)
  • 購読者:自分のプロフィールのみ編集可能

ユーザーを追加する方法

では、早速説明していきます。
まずは、下図を参考に管理画面よりユーザーの新規追加画面を表示します。

user01

続いて、追加するユーザーの情報を入力します。

  • ユーザー名
  • メールアドレス
  • パスワード:任意の文字列
  • 権限グループ:設定したい権限グループ

入力後、「新規ユーザーを追加」を押して確定してください。

「新規ユーザーを作成しました」というメッセージとともに、ユーザー一覧に表示されます。

また、今までにある投稿に各ユーザーが作成したものとして割り当てることもできます。

  1. 管理画面の「投稿」>「投稿一覧」をクリックする
  2. 変更したい記事タイトルにマウスオーバーすると「クイック編集」が現れます。
  3. クイック編集画面の作成者を選択し、「更新」をクリックします。

以上でユーザーが追加できました。
もっと細かい権限を割り振りたい場合などには以下のプラグインの活用もできます。

権限をカスタマイズできるプラグイン「User Role Editor」

ここまでは、複数のユーザーでWordPressサイトを運営する際は、ユーザーごとに権限を分けましょうという話をしてきました。ここからは、デフォルトで用意されている権限をさらに細かく編集できるプラグインをご紹介いたします。

プラグインの使い方

管理画面から「User Role Editor」を検索してインストールいただくか、下記ボタンからプラグインをダウンロードし、wp-content/pluginsディレクトリにインストールしてください。

User Role Editor

このプラグインでは、権限によって制限されている機能を自由に変更・カスタマイズできます。もしくは、オリジナルの権限を作成することが可能です。

下記箇所をクリックしてプラグインの設定画面を開きます。

といっても何が何だかわからないですよね。英字が多く、一瞬戸惑うかもしれませんが、あらゆる権限が英字で書かれているだけです。それぞれの意味については、後述の表を参考にしていただけますと幸いです。

まずは、見やすくするために右上の列を3に設定しておきましょう。基本は、以下の手順で操作します。

  1. 編集したい権限を上部赤枠の箇所で選択して
  2. 後述の表を参考に付与したい権限にチェックを入れる
  3. 「更新」を押して完了

注意点としては、デフォルトで用意されている権限の範囲は編集しないことです。権限を編集したことを忘れた頃に、他のユーザーに権限を付与した場合、デフォルトで制限されているはずの機能以外も操作可能になってしまうからです。

なので、「権限グループの追加」を押してオリジナルの権限を作って、その範囲を設定するといいですね。下記のようにわかりやすく権限名を設定しておくと時間が経ってからでも分かりやすいと思います。

各権限の一覧表

ほとんどそのままの意味ですが、以下の表でそれぞれご確認いただけますと幸いです。実際のプラグインの画面でわからない英字の項目があれば、この記事の中でページ内検索していただけますとすぐに見つかります。

【※ページ内検索の方法】 下記の操作で表示される検索枠内に英字部分をコピペしてEnterでOKです。
Win:control+F
Mac:command+F

権限 意味 可能な操作
activate_plugins プラグインの有効化 プラグイン設定画面へのアクセスや操作
create_users ユーザーの作成 ユーザー > 新規追加画面へのアクセスや操作
delete_others_pages 他の固定ページの削除 固定ページ一覧などからの他のユーザーが作成した固定ページの削除
delete_others_posts 他の投稿の削除 投稿一覧などからの他のユーザーが作成した投稿の削除
delete_pages 固定ページの削除 固定ページ一覧などからの固定ページの削除
delete_plugins プラグインの削除 プラグイン(インストール済みプラグイン)画面などからのプラグインの削除
delete_posts 投稿の削除 投稿一覧などからの投稿の削除
delete_private_pages 非公開の固定ページの削除 固定ページ一覧などからの非公開の固定ページの削除
delete_private_posts 非公開の投稿の削除 投稿一覧などからの非公開の投稿の削除
delete_published_pages 公開されている固定ページの削除 固定ページ一覧などからの他のユーザーが作成した固定ページの削除
delete_published_posts 公開されている投稿の削除 投稿一覧などからの公開済の投稿の削除
delete_themes テーマの削除 外観(テーマ)画面などからのテーマの削除
delete_users ユーザーの削除 ユーザー一覧画面などからのユーザーの削除
edit_dashboard ダッシュボードの編集 ダッシュボードの追加など
edit_others_pages 他の固定ページの編集 他のユーザーが作成した固定ページの編集
edit_others_posts 他の投稿の編集 他のユーザーが作成した投稿の編集
edit_pages 固定ページの編集 固定ページ一覧、固定ページ > 新規追加へのアクセスや編集
edit_plugins プラグインの編集 プラグインの編集画面へのアクセスや操作
edit_posts 投稿の編集 投稿一覧、新規追加、コメント、コメントの承認へのアクセスや編集
edit_private_pages 非公開の固定ページの編集 固定ページ一覧などからの非公開の固定ページの編集
edit_private_posts 非公開の投稿の編集 投稿一覧などからの非公開の投稿の編集
edit_published_pages 公開されているページの編集 固定ページ一覧などからの公開済の固定ページの削除
edit_published_posts 公開されている投稿の編集 投稿一覧などからの公開済みの投稿の編集
edit_theme_options テーマ設定の編集 外観 >カスタマイズ〜背景画面へのアクセスや操作
edit_themes テーマの編集 外観 > テーマの編集画面へのアクセスや操作
edit_users ユーザーの編集 ユーザー一覧画面などからのユーザー情報の編集
export エクスポート ツール > エクスポート画面へのアクセスや操作
import インポート ツール > インポート画面へのアクセスや操作
install_plugins プラグインのインストール プラグイン > 新規追加画面へのアクセスやインストール
install_themes テーマのインストール 外観 > テーマ の新規追加画面へのアクセスやインストール
list_users ユーザー一覧 ユーザー一覧へのアクセス
manage_categories カテゴリーの管理 投稿 > カテゴリー画面へのアクセスや管理
manage_links リンクの管理 (現在は使用されていません)
manage_options オプションの管理 設定画面(一般〜パーマリンク設定)へのアクセスや設定
moderate_comments コメントのモデレート コメント一覧、投稿編集画面からのコメントの承認や削除
promote_users ユーザー昇進 既存のネットワークユーザーを特定のサイトのユーザーに追加 (マルチサイト)
publish_pages 固定ページの公開 固定ページ一覧などからの固定ページの公開
publish_posts 投稿の公開 投稿一覧などからの投稿の公開
read 読む ダッシュボード、プロフィール画面へのアクセス
read_private_pages 非公開の固定ページを読む 非公開の固定ページの表示・閲覧
read_private_posts 非公開の投稿を読む 非公開の投稿の表示・閲覧
remove_users ユーザーの除去 ユーザー一覧でのユーザーの除去 (マルチサイト)
switch_themes テーマの切替 外観(テーマ)画面へのアクセスやテーマ切替
unfiltered_html HTMLのフィルタリング無効化 投稿やウィジェットでHTMLのフィルタリングをしない
unfiltered_upload アップロードのフィルタを無効化 アップロードのフォルタリングをしない
update_core 本体の更新 更新画面などからの本体(WordPressのコアパッケージ)の更新や更新数の表示
update_plugins プラグインの更新 更新画面などからのプラグインの更新や更新が必要なプラグイン数の表示
update_themes テーマの更新 更新画面などからのテーマの更新や更新が必要なテーマ数の表示
upload_files ファイルのアップロード メディア一覧へのアクセスやアップロード

非常に簡単に各権限の設定をカスタマイズできるのが「User Role Editor」の特徴です。ぜひ活用してみてください。

まとめ

今回はデフォルトのユーザー権限の機能の解説と、ユーザー権限を拡張できるプラグインの紹介をさせていただきました。WordPressを複数のユーザーで運営する場合や確認用として管理画面内を閲覧してもらう場合には非常にこの設定が便利となります。ぜひ設定等を見直し、ご活用いただければと思います。

また、下記のプラグインでは管理画面をカスタマイズすることもできます。

当プラグインと組み合わせて、第三者専用の管理画面を作りたい場合は、下記の記事を参考にご覧ください。